前回ご紹介した梨状筋症候群の他に、反り腰が原因になっている足(太もも後ろ、ふくらはぎなど)の痺れ・痛みがあります。
普段の姿勢やクセが大きく関係してきます。
お尻をストレッチしても足の痛みや痺れがよくならない方はぜひご覧ください。
反り腰と坐骨神経痛
反り腰とは腰のカーブが通常よりも大きい場合をいいます。
お尻が後ろに出て(出っ尻)、鳩胸のように胸を張っているので、一見、姿勢はよく見えるのが特徴です。
坐骨神経痛は、腰から出ている坐骨神経が走行中になんらかの原因によって刺激されて、足やお尻などに痛みや痺れを起こしてしまいます。
反り腰になっていると、坐骨神経が普通の状態よりも余計に引っ張られてしまうため、痛みや痺れが出ることになります。
反り腰についてはこちらの記事も参考にしてみてください↓
坐骨神経痛の原因が反り腰かどうかのチェック
反り腰の時、股関節は曲がり、内側に捻れます。
股関節が曲がって内側に捻れると、坐骨神経は引っ張られて痛みや痺れが出ます。
そこで、これと逆の動作(股関節を伸ばす、外側に捻る)をすることで痛みや痺れが軽くなれば、坐骨神経痛の原因が反り腰姿勢なのかどうかがチェックできます。
- ベッドや椅子などの台の上の横に立ち、痛む側の足を乗せます。
- 膝を曲げた状態のまま、膝を外側に倒します。
この動作で痛みや痺れが軽くなれば、あなたの坐骨神経痛の原因は反り腰の可能性が高いということです。
反り腰と骨盤前傾
腰の部分の骨(腰椎)が前側に大きくカーブしている反り腰では、その下につながる骨盤が前に倒れる骨盤前傾という状態になりやすくなります。
骨盤が前傾するとそれにつられて、股関節が屈曲・内旋・内転し、足首が外反しやすくなります。
反り腰の時の筋肉バランス
反り腰の場合、腹筋・殿筋・ハムストリングスが弱く、腸腰筋・腰部の筋肉が硬くなっている傾向にあります。
弱くなっている筋肉
・腹横筋・・・腹圧をかける筋肉。うまく働かないと腹圧がかけられず、骨盤の位置・角度が歪みやすくなる。
・大殿筋・・・お尻の中で最も大きい筋肉。股関節を曲げた状態から伸ばすときに使われる。
・ハムストリングス・・・太ももの後ろ側にある三つの筋肉(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)の総称。脚を後ろに引くときや、膝を曲げる動作などで働く。膝を固定しているときは骨盤を後ろへ傾ける方向に力を発揮する。(ハムストリングスが弱いと骨盤が前傾する)
硬くなっている筋肉
・腸腰筋・・・骨盤の内側を走っている大きな筋群。腸骨筋・小腰筋・大腰筋の総称。股関節を曲げるなどの働きをする。
・腰部の筋肉・・・腹筋が弱いと腰部の筋肉が緊張してしまい、腰痛の原因になります。
・大腿筋膜張筋・・・大腿筋膜という膜に包まれた平たくて長い筋肉。骨盤から始まり、股関節の前方を通り、長脛靭帯に移行する。動作をつくる筋肉ではなく、股関節が外旋するのを防ぎ、足がまっすぐ前へ出るようにコントロールしている。
反り腰による坐骨神経痛の解消エクササイズ
反り腰姿勢になることで坐骨神経が引っ張られてしまう状態を改善しましょう!
腸腰筋のストレッチ
①伸ばしたい側の膝を床につく。
肩・股関節・膝が一直線上になるようにする。
②腹筋とお尻に力を入れて、骨盤を後傾させる。呼吸を止めずに30秒間キープする。
内もものストレッチ
①台やベッド、椅子などの横に立ち、伸ばしたい側の足を乗せて、つま先を上へ向ける。
②上げた足の方向へ上半身を倒す。顔を上げ、膝は伸ばした状態で。背中を丸めないように注意!
このまま呼吸を止めずに15秒間キープする。
③上半身をいったん起こしてから、前方へ上半身を倒す。顔を上げ、膝は伸ばした状態で。背中を丸めないように行う。呼吸を止めずに15秒間キープする。
④③の状態から、上げている足の逆側へ上半身をひねる。顔は斜め上へ向ける。呼吸を止めずに15秒間キープする。
太もも外側のストレッチ
①足裏が上を向くように、足の甲を寝かせるように足首を捻る。
②太もも外側が伸びるのを感じながら上半身を倒す。膝を伸ばし、顔は上に上げておく。呼吸を止めずに15秒間キープする。
腹横筋の筋トレ
①肘をついたプランクの姿勢を取る。頭〜踵を一直線にする。目線は斜め前に向ける。
②息を吐きながら、お腹から下を捻るようにして腰を右側へ落とす。
③息を吸いながら最初のポジションへ戻す。
④息を吐きながら、お腹から下を捻るようにして腰を左側へ落とす。①〜④を1セットとして20〜30
セット行う。
エクササイズの仕上げに反り腰調整
ストレッチ・エクササイズで硬くなった筋肉を柔らかくし、弱っている筋肉を強化します。
その上で、反り腰にならない姿勢に調整します。
反り腰調整法
①壁の前15センチほどの場所に、壁に背中を向けて立つ。(両足は閉じておく)
②頭→両肩(肩甲骨)→おしり→かかと の順に壁につけていく。
③少しアゴを引く。
④腰と壁のスキマに手を入れる。
手が余裕でスッと入ってしまうなら反り腰になっているので、お腹を引っ込めて腰を壁に押し付ける。
⑤④の状態で1分間キープする。
まとめ
・反り腰の姿勢によって坐骨神経痛になる場合がある。
・反り腰では骨盤が前傾し股関節が内側にねじれるので坐骨神経を過度に引っ張ってしまうため、足に痛みや痺れが出る坐骨神経痛が出る。
・骨盤前傾と股関節が内側にねじれるのを改善するストレッチ・エクササイズを行い、普段から反り腰にならないよう意識することが重要。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
一見、姿勢が良く見えてしまう反り腰姿勢ですが、
腰に疲労が溜まりやすく、今回ご紹介した坐骨神経痛の原因にもなります。
ストレッチ・エクササイズを少しずつ続けてみてください!
コメント